会社を知るスタッフインタビュー02
スタッフインタビュー いきもの好きの履歴書 02
いつも思うのは、
自然のもの、風景は、とってもキレイで、カッコイイ!!ということです。
九州支社 自然環境研究室主任 津田 朋香
- 津田さんは東京の都会育ちとお聞きしました。
はい、生まれも育ちも、東京都千代田区の九段という所です。
千代田区は、今ではビジネス街のイメージですが、私の幼少時代は、庭木が茂る一軒家や、空き地もありました。今はビルだらけですが、当時は一軒家もずいぶん残っていましたし、今は減ったようですが春になるとツバメが飛来して巣を作っていたりしていました。
- 生きもの大好きな女の子だったんですか?
人並みじゃないですかね。でも外で遊ぶのは大好きでした。
私の場合は家が飲食店をしていたので、平日は親が忙しく、遊ぶのはもっぱら近所の公園、神社でした。小学生の頃は、近所の工事現場や神社で採ったシイの実を炒って食べたり、神社の池でエビを釣ったり。縁日で買ってもらったウズラを育てたりしたのは、今でも覚えています。
祖父は101歳まで生きた人でしたが、動物好きで、80代の頃まで時々上野動物園に連れていってもらいました。私が生きもの好きなのは、祖父譲りなのかもしれません。
- ちいかんにはどちらかというと田園や山の景色を原風景に持つ社員が多いように思います。
祖父母、両親、みな東京生まれで、夏休みに田舎に帰るという経験もなく、山や川で遊んだ経験はほんの少ししかありません。
小学生の時、遠足で中央道(高速)を走っている際、バスの中から見えた山々に、クラスの皆が「山だ!山だ!」と言って、拍手した記憶があります。それくらい山は珍しいものでした。
「自然環境」や「野生動物」との本格的な出会いは、大学に入ってからです。
- 子供の頃からの強い思いがあるわけでもなかった?
これが好きだった!っていうのであれば、旅が好きでした。小さい頃からとにかく出歩くのが好きで、色々な所をウロウロしてました。
中学・高校は人並みに原宿や渋谷で遊んでましたけど、ふと「もうこういうのはいいや!」って思っちゃって(笑)。それからはなんとなく憧れがあった山や川へと・・・。その延長線上に野生動物がいた感じですね。
- 旅行好きと自然環境への憧れがきっかけだったんですね
そうですそうです。調査のために移動するのが楽しくて。
大学では、青森県八甲田山でサブレンジャー(環境省のアルバイト)、屋久島でヤクザル調査、小学生向けの観察会などをやっていました。大学4年の卒業研究は、研究対象を野生動物にしたいという希望が強く、他の大学の研究室にお世話になり、野生のウグイスに関する研究をさせてもらいました。
- ほんとに幅広く活動してたんですね。
何か一つの種や生きもの単体に強く惹かれるというよりも、いつも思うのは、自然のもの、風景は、とっても綺麗で、カッコイイ!!ということです。大学1年の時に、台風が過ぎ去った後に、八甲田山の大岳に夜間登ったことがあるのですが、大岳の山頂から見た月の光が降り注ぐ雲海は、それは、それは素晴らしかったです。
- そういう思いを抱いて、ちいかんを目指したということですか?
そうですね。ちいかんのことはインターネットで検索して初めて知ったんです。大学の頃、先輩が同業他社に勤めていて、そこでアルバイトした経験があり、この業界のことは知っていました。大学で自然の中で活動する楽しさを知ったので、動植物を調査する会社に入りたいと思っていました。
- ここで絶対働きたい!という感じだったんですか?
そうなんですが実は私、最終面接で落ちてるんですよ。不合格の連絡があって、リセットして別の方向を考えてたんです。それで、じゃあ卒業旅行に南米に出発しようっていう直前に「やっぱり採用しますよ」って連絡をいただいて・・・。旅行先が連絡を取りづらい所だったので、あと少しタイミングが遅れてたら私は今ここにいません(笑)。
- すごい縁があったんですね。入社されてからは東京支社の自然環境研究室で、主に哺乳類担当としてキャリアを積まれました。先輩と一緒に仕事をするにあたって、印象深かったことはありますか?
優しくて厳しい先輩方でしたけど、「3年間は何を聞いてもいいからとにかくわからないことは聞け。必ず教えるから。3年経ったらもう聞けないつもりで質問しなさい。」って言われて、必死で色んなことを質問した思い出があります。
学校じゃないので、ちゃんと、「教えてください」って言わないと誰も教えてくれない。当たり前のことですが大切ですよね。今の若い人にも言っていきたいなと思っています。
- 環境コンサルティングというお仕事の中で、特に気をつけていることはありますか?
お客様や地域の方々と、なるべく早く仲良くなり、円滑にコミュニケーションをとれるようになることですね。その上で、問題やご要望を聞き出し、お応えすることです。やっぱり仕事は人と人とのつながりで成り立っていると思います。
- なるほど。現地調査も色々と経験されていると思いますが、大変だった思い出はありますか?
そうですねー。親子のクマに至近距離で遭遇、ハチに刺される、自動撮影カメラを設置していたら地面が抜けて崖転落など。あまり運動神経が良くないもので・・・。
- 運動神経、関係ないのもありますけど・・
そうですね(笑)。でも自然の中を歩くのは大好きなので、基本的に辛さはあまり感じませんね。
- 現場で先輩に助けてもらった経験などはありますか?
新人の頃に道に迷って助けていただいたことは何度か・・・。
印象深かったのは緩傾斜の雪上を移動しながら調査をした時ですね。緩傾斜の雪上というのは方向を見失いやすいんですが、上司が「もし迷ったら必ず迎えに来てやるからじっとしてなさい。」って言われてすごく頼もしかった思い出があります。現場に向かう車の中で、非常用に準備したチョコを勝手に食べて怒られましたけど・・・。
- 必ず話にオチがつきますね(笑)。確かに、津田さんはヘビーな現地調査でも飄々とこなされていたような印象があります。現場では怖いもの無し、な感じですか。
いえ、実は私、世の中で最も苦手な生き物がいまして・・・「ドバト」なんですね。もう、目の前に飛んでこられたら、失神してしまうのではないかと思うくらい苦手です(笑)。都市公園の調査なんかは、本当に、本当につらい!頭上からも来るので360度アンテナを張りながら、調査してます。
- まさかそんな弱点があったとは(笑)
入社試験の最終面接で、「苦手な生き物いる?」と聞かれたのは今でも覚えています。ウソをついても仕方ないので正直に答えました。「ドバトなら大丈夫」と言われ、安堵したのを覚えているんですが、当時はまだ都市域の調査は少なかったですから(泣)。
- 都市域は鬼門ですね(笑)。色々な苦労(?)をされている津田さんですが、仕事をする上での座右の銘みたいなものはありますか?
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」です。
意味は、できそうもないことでも、その気になってやり通せばできるということです。小さい頃から、超体育会系の母にこの言葉を言われて育ったもので、いつの間にか私も大事にするようになりました。この言葉を裏切らないよう、日々努力して成し遂げていきたいと思っていますが・・・なかなかうまくいかないことが多いですね。
- 津田さんは今、2人のお子さんを育てながらお仕事をされていますが、仕事のやり方もだいぶ変わりましたか?昔とはまた違うご苦労があると思いますが。
はい、今は時短勤務で内業中心ですが、それでも不測の事態が多く、なかなか思い通りに仕事を進めることができないのが悩みです。急な発熱、保育園から呼び出しで早退は日常茶飯事ですし、急性肺炎で10日ほど入院した時は、ずっとつきっきりでした。急ぎの仕事を抱えていて、他の社員に対応してもらうなど、色々と支えてもらいました。
仕事ではとにかくお客様にご迷惑をおかけしないよう、準備や段取りを今まで以上に心がけるようにしています。
- 仕事柄、日程が決まっている仕事も多いので、変更するのが大変なことも多いですよね。
ちいかんは「子育てしながら仕事をする」ことに対して、ポジティブに受け止めてくれる社風があるので、その部分では助かっています。制度的にも産休、育休制度に加えて、時短勤務やテレワーク制度もあるので、やりくりは厳しいながらも、社会参加しながら子育てをしていく環境は整っているように感じています。先輩ママに相談したり、泣き言を聞いてもらったり、それが活力になるんです。
- ちいかんは企業イメージもあってか、女性の就職希望者が比較的多いんです。
女性にとってはキャリアを経ていく上で、結婚・出産・育児というのはどうしても不安なものだと思います。ちいかんは私も含め、子供を育てながら働いている女性社員がいますので、その辺りは心配いらないと思いますよ。
もちろんそれに見合った成果はきっちりと求められますし、大変ですが、女性だからこそ活躍できる部分がちいかんには多くあると思っています。
- 確かに女性が活躍することでちいかんが社会に貢献できることは増えるかもしれませんね。
男性ばっかりの会社というのも、私はちょっとつまらないと思いますし、成果の幅も広くならないと思ってます。女性が持つ視点、社内を明るくする力、細やかな気遣いなど、男性が持っていない魅力がありますから、個人的には、女性社員がもっと増えればいいなぁと思っています。細やかな気遣いが私にできてるかどうかというのは置いといて!(笑)
- では女性・・・と、もちろん男性も含めて(笑)ちいかんで働きたいと思っている方々にアドバイスはありますか?
そうですね。就職や転職は人生の何割かを共に過ごす人達を決める、ということでもあると思うんです。業種、仕事の内容も大事かと思うのですが、説明会や面接の限られた時間の中で垣間見える、未来の上司や先輩、そこから感じられる会社の雰囲気も大事だと私は思いますね。
あとは先程も話したとおり、お客様が抱えている問題をしっかり解決すること。解決方法がすでにわかっていることは稀ですから、まずは良い信頼関係を構築して、その上で進めていくことが大切です。
- 今は子育てとお仕事で大変だと思いますが、お休みの日などは何をされていますか?
この春に九州に転勤になって、家族で福岡に引っ越しました。引越し先は古い漁師町で、歩いて15分で海があります。漁港があって毎週末朝市が立つんですが、そこで新鮮な魚介類を買って食べるのが休日の楽しみですね。
- いいですね!地元の方々との交流なんかもあるんですか?
はい、先日うちのお隣の漁師さんがその朝市にお店を出しておられて、挨拶したら30センチ以上あるタイをもらいました(笑)。さっそくタイのお刺身&あら汁でいただきましたけど、最高でした!
- いいなー!それはすごい!
- 日々仕事や子育てに奮闘中のお話をありがとうございました。
最後に自分が一番心躍る「生きもの」を一種あげて、思いの丈をぶつけてください。
私は「これが大好き!!」っていうのはあんまりないんですが(笑)、そんな私に「生きものを見つけた時のワクワクドキドキ感」を体験させてくれた思い出深い生きものが「ハマダンゴムシ」です。
以前、この「ハマダンゴムシ」を地域の方々と調べる機会がありました。調べようとしていた場所周辺での確固たる分布情報はなかったものですから、本当にいるかどうか不安で、ドキドキでした。調査に臨む際は、事前に生態情報を調べ、当たりをつけて、砂利浜を掘ったり、打ちあがった海藻や流木の下を探してみたり、かなり必死だった記憶があります。ですから、見つけた時の嬉しさは、通常の調査ではあまり感じない、格別なもので、今でも、海岸に行ったら探したりしています。
- 哺乳類じゃなくてまさかのダンゴムシですか!ありがとうございました。
いきもの好きの履歴書 バックナンバー
Vol.6 北海道支社 自然環境研究室主任 阿部 このみ
Vol.5 環境共生推進室主任 伊藤 元
Vol.4 大阪支社 生物多様性推進室主任 上村 晋平
Vol.3 名古屋支社 自然環境研究室室長 田中 一男
Vol.2 九州支社 自然環境研究室主任 津田 朋香
Vol.1 東京支社 生物多様性推進室室長 彦坂 洋信