「ちいかんの森づくりプロジェクト」始動!
生きものの専門家が集う自然環境のコンサルタント会社ちいかん。私たちは、これまで40年以上培った「生きものに関するノウハウ」「生物多様性保全に関する技術」を全力投入して森づくり(緑地整備)を行うとどのような森が育つのかを形で示したいという熱意を持っていました。
そこで、里山環境の劣化、生物多様性の減少といった社会的課題の解消に貢献すべく、会社の自主的な取り組みとして「ちいかんの森づくりプロジェクト」をスタートさせることになりました。
ちいかんの森づくりを行う森の現在のすがた
多摩に残された緑地との出会い
川崎市麻生区の黒川上地区は、かつての谷戸地形を利用した農業が受け継がれ、今なお里山の景観が残る地域です。傾斜地にはクヌギやコナラを主体とした雑木林が広がり、かつては「黒川炭」の生産地として知られた場所でした。川崎市の都市計画では「市街化調整区域」そして「農業振興地域」に指定されていますが、現在は昔のような森林資源の利用がなくなり、森に人の手が入らなくなったことで、樹木は高木化し、林床にはササが生い茂って荒れた状態となっています。
「ちいかんの森づくり」の活動の場を探していた時、川崎市に「里山コラボ」という制度があることを知りました。そして黒川上地区に位置する「西黒川特別緑地保全地区」において活動ができないか川崎市と協議を重ね、2023年10月12日に川崎市と保全管理に関する覚書を締結しました。こうして、貴重な里山環境と生物多様性の保全に貢献するための活動が始まったのです。
荒廃した里山環境
この森が荒廃した最大の原因は、薪、炭、たい肥として用いた落ち葉など、人による森林資源の利用がなくなったことです。適度な人の手が入らないことで、植生遷移が止まらなくなりました。
かつては定期的に一定の面積で薪炭材の採取が行われることで様々な林齢の樹林や草地がパッチ状に存在し、バリエーション豊かな里山環境を形成していましたが、それらが一様に高木化したことが、樹林環境の単純化にも繋がっています。
樹林が高木化したことにより、谷戸の農地は日照不足となり、カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」の被害が拡大。 林床の藪化が進んだこと、堆肥用の落ち葉搔きが行われなくなったことによって林床の日照不足、それがさらに林床植生の単純化を引き起こしました。
このほか、今後森林整備を進めた際に大量に生じる伐採木や下刈りしたササ等、定着している外来種(アライグマ、ハクビシン、ガビチョウ、コジュケイなど)も悩みの種です。特に、アライグマ、ハクビシンによる農業被害が懸念されます。
目指しているのは、人にも生きものにも「居心地のよい林」
さまざまな課題を抱えた緑地を、森林資源の「利用」を「管理」に置き換え、人や生き物が「居心地の良い林」に再生すること、その林を環境学習の場として活用していくことがわたしたちのゴールです。里山の環境は、農地と山林(以下、里山林)が一体となって多様なバリエーションを持つことで形作られています。
里山林をどのように整備していくか。どこまでできるかも含め、地元の農家の方々や川崎市役所のご担当の方々とも意見交換を行いながら、目標を設定していきます。
活動内容
森づくりのために、以下のような活動を予定しています。
ちいかんの森づくり黒川 これまでのとりくみ・これからのチャレンジ
2023年度
2024年度以降
ちいかんの森づくりギャラリー
ちいかんの森づくりプロジェクトで確認された生きものたちをご紹介します。
ちいかんの「森づくり・緑地整備、利活用」サポート
森づくりをはじめたい・もっと活用したいあなたの気持ちを、ちいかんは応援します!
当社は自然と共生する社会づくりのために、行政や企業によるさまざまな生物多様性保全の取り組みをご支援しています。どんなことでも親身になってさまざまなリクエストに応じたご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
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