文:宮畑 貴之(技術参与)
命の有効活用「食」を実践
外来種問題への貢献:「捕って食べる」を実践

外来種による被害を予防するために個人でもできることは、まずはむやみに外来種を持ち込まないこと、飼養・栽培している外来種がいる場合は適切に管理し野外に放さないこと、ある地域で外来種が繁殖してしまっている場合には他地域に広げないこと、である。
すでに繁殖してしまっている外来種をそれ以上増やさず少しでも減らすことに貢献できるよう、捕って(採って)食べることを実践している。
ウシガエルを食べる
生態系への著しい悪影響を及ぼすウシガエル。特定外来生物にも指定されており、積極的な駆除が望まれる種である。駆除したウシガエルの有効利用として注目したいのは、やはり食べること。ある場所で駆除したウシガエルを「久しぶりに食べてみるか」ということで、現地で絞めた成体3匹と幼生(オタマジャクシ)10匹を持ち帰った。

以前ウシガエルを食べたときは、空揚げと煮付けにしたので、今回は違う料理方法で味わうことにした。まずは、成体1匹をぶつ切りにして里芋と一緒にスープにしてみた。味付けは塩と醤油のみでショウガを少々加えただけのシンプルなものである。まずはスープをひと口に含む。!?うまいのである。こんなに上品でうまみのあるダシが出るとは‼味は…そうスッポンに通じるものがある、と思った。もも肉は、脂を抜いた硬めの鶏肉といった食感であるが味はいい。背骨周りの肉は適度な脂がのっていて肉質も若干柔らかい。個人的には背骨周りの肉の方がうまいと思う。カエルの脂身ってどんな味?と聞かれても困るのだが、強いていえば魚や鶏の脂に近い、が、やはり両生類独特の味である。爬虫類の脂にはかなり近い味と思うが、ますます共感してくれる人は減ってしまいそうだ。

幼生はというと、ぬるぬるとして皮がむきづらく、かなり手間がかかる割に身の量も少ない。とりあえず3匹だけ捌いて試食した。少し多めの油で炒め、塩、胡椒のみの味付けとした。尾びれの筋肉部分の身はかなり柔らかめである。背骨周りは若干脂がのっている。味は…若干泥臭さが残るがまずくはない、が、すこぶるおいしいというわけでもない。下処理の手間や歩留まりの悪さ等を考えると、成体のほうが食材としてのランクは上かな、と思う。
ウシガエルの滋味を余さず引き出すための調理法を記しておく。勇気ある諸君のささやかな道標となれば本望である。
駆除個体を慈しむ一椀 牛蛙と里芋のスープ 生姜仕立て
材料(1人前)
- ウシガエルの成体(下処理済) … 1匹
- 里芋 … 2〜3個
- 生姜 … 1片
- 水 … 400ml
- 酒 … 大さじ1
- 塩 … 少々
- 薄口醤油 … 小さじ1/2
作り方
- ウシガエルは流水でよく洗い、水気を拭き取る。食べやすい大きさのぶつ切りにする。
- 里芋は皮をむき、一口大に切る。
- 生姜をスライスまたは千切りにする。
- 煮込む前にちょっとひと手間!沸騰したお湯にカエル肉をさっとくぐらせ、表面が白くなったら冷水に取る。この「霜降り」で雑味が消え、澄んだスープに仕上がる。
- 鍋に水、酒、生姜のスライスまたは千切り、里芋を入れて火にかける。里芋に半分ほど火が通ったら、ウシガエルを加える。
- 沸騰してきたら弱火にし、丁寧に出るアクを掬い取る。このアク取りが、スッポンのような上品な後味を際立てる。
- 里芋が柔らかくなったら、塩と薄口醤油で味を調える。素材から十分な旨味が出るため、調味料は「引き立て役」程度に留めるのがコツ。
- 器に盛り、お好みでみつばや白髪ねぎをあしらって完成。



沼のめぐみ 牛蛙 幼生テールのポワレ
材料(1人前)
- ウシガエルの幼生 … 数匹
- 塩・胡椒 … 適量
- 植物油 … 大さじ1
- マイルドにしたいなら。。生姜の絞り汁 … 少々、酒 … 小さじ1
作り方
- 多めの塩で優しく揉み洗いし、ヌメリを落としてから皮を取り除く。
- 捌いた身を酒と生姜の絞り汁に5分ほど浸けると、幼生特有の泥臭さが大幅に軽減される。
- 炒める前にキッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取る。水分が残っていると、身が崩れやすくなる。
- フライパンに多めの油を熱し、強火で一気に炒める。尾びれの筋肉が繊細なため、あまり動かさず、表面をカリッとさせるのがポイント。
- 仕上げに塩・胡椒でシンプルに味を調える。

