ちいかんの森づくりプロジェクト

このプロジェクトは、当社が持つノウハウや技術を全力投入して里山林の整備を行う社会貢献活動の取り組みです。

 

森づくりレポート

プロジェクトの進捗や取り組みの詳細は随時レポートします。2024年は主に動植物調査で出会った里山林の住人たちを紹介していきます。私たちの日々の活動を見守ってください。

プロジェクトの概要

2023年、「ちいかんの森づくりプロジェクト」始動!

生きものの専門家が集う自然環境のコンサルタント会社ちいかん。私たちは、これまで40年以上培った「生きものに関するノウハウ」「生物多様性保全に関する技術」を全力投入して森づくり(緑地整備)を行うとどのような森が育つのかを形で示したいという熱意を持っていました。

そこで、里山環境の劣化、生物多様性の減少といった社会的課題の解消に貢献すべく、会社の自主的な取り組みとして「ちいかんの森づくりプロジェクト」をスタートさせることになりました。

 

ちいかんの森の現在のすがた

ちいかんの森づくりを行う森の現在のすがた

多摩に残された緑地との出会い

川崎市麻生区の黒川上地区は、かつての谷戸地形を利用した農業が受け継がれ、今なお里山の景観が残る地域です。傾斜地にはクヌギやコナラを主体とした雑木林が広がり、かつては「黒川炭」の生産地として知られた場所でした。川崎市の都市計画では「市街化調整区域」そして「農業振興地域」に指定されていますが、現在は昔のような森林資源の利用がなくなり、森に人の手が入らなくなったことで、樹木は高木化し、林床にはササが生い茂って荒れた状態となっています。

「ちいかんの森づくり」の活動の場を探していた時、川崎市に「里山コラボ」という制度があることを知りました。そして黒川上地区に位置する「西黒川特別緑地保全地区」において活動ができないか川崎市と協議を重ね、2023年10月12日に川崎市と保全管理に関する覚書を締結しました。こうして、貴重な里山環境と生物多様性の保全に貢献するための活動が始まったのです。

 

ちいかんの森

荒廃した里山環境

この森が荒廃した最大の原因は、薪、炭、たい肥として用いた落ち葉など、人による森林資源の利用がなくなったことです。適度な人の手が入らないことで、植生遷移が止まらなくなりました。

かつては定期的に一定の面積で薪炭材の採取が行われることで様々な林齢の樹林や草地がパッチ状に存在し、バリエーション豊かな里山環境を形成していましたが、それらが一様に高木化したことが、樹林環境の単純化にも繋がっています。

樹林が高木化したことにより、谷戸の農地は日照不足となり、カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」の被害が拡大。 林床の藪化が進んだこと、堆肥用の落ち葉搔きが行われなくなったことによって林床の日照不足、それがさらに林床植生の単純化を引き起こしました。

このほか、今後森林整備を進めた際に大量に生じる伐採木や下刈りしたササ等、定着している外来種(アライグマ、ハクビシン、ガビチョウ、コジュケイなど)も悩みの種です。特に、アライグマ、ハクビシンによる農業被害が懸念されます。


目指しているのは、人にも生きものにも「居心地のよい林」

さまざまな課題を抱えた緑地を、森林資源の「利用」を「管理」に置き換え、人や生き物が「居心地の良い林」に再生すること、その林を環境学習の場として活用していくことがわたしたちのゴールです。里山の環境は、農地と山林(以下、里山林)が一体となって多様なバリエーションを持つことで形作られています。

里山林をどのように整備していくか。どこまでできるかも含め、地元の農家の方々や川崎市役所のご担当の方々とも意見交換を行いながら、目標を設定していきます。

活動内容

森づくりのために、以下のような活動を予定しています。

動植物のモニタリング調査(生育・生息の変化を観察し、整備の効果を検証します)
森林の保全管理計画の策定
ナラ枯れ被害対策の実施
森林整備(樹木伐採や後継樹の育成)
森林の維持管理作業(主に下刈り作業)

ちいかんの森づくり黒川 これまでのとりくみ・これからのチャレンジ

2023年度

川崎市と西黒川特別緑地保全地区の保全管理に関する覚書を締結(2023年10月12日)
緑地整備前の動植物モニタリング調査を実施(秋季)
緑地整備前の動植物モニタリング調査を実施予定(冬季、早春季)

2024年度以降

緑地整備前の動植物調査を実施予定(春季、夏季)
西黒川特別緑地保全地区の保全管理計画を検討・策定予定(秋季)
保全管理計画策定後、川崎市と緑地の保全管理にかかわる協定を締結予定(冬季)
協定締結後、保全管理計画に基づく森づくり(森林整備)に着手予定
整備が完了したエリアごとに、緑地整備後の動植物モニタリング調査(効果検証)、森の維持管理作業に着手予定
以降、モニタリング調査と森の維持管理作業を継続

ちいかんの森づくりギャラリー

ちいかんの森づくりプロジェクトで確認された、黒川の森の生きものたちをご紹介します。

 


・植物(主にラン)

秋なので“花”は少なかったですが、春が楽しみです。




・自動撮影カメラに写った動物たち




・鳥さん。

周辺の多摩丘陵で繁殖しているオオタカも飛来するようですが、自動撮影カメラでは・・・


その他、小鳥類も普通にいます。



自動撮影カメラではありませんが、「関東の丘陵地の谷戸」と言えば・・・

・水辺のいきもの

ちゃんといました!
また、ここの谷戸にはアメリカザリガニがいませんでした。
関東では結構すごいことなんです!


ちいかんの「森づくり・緑地整備、利活用」サポート

森づくりをはじめたい・もっと活用したいあなたの気持ちを、ちいかんは応援します!

当社は自然と共生する社会づくりのために、行政や企業によるさまざまな生物多様性保全の取り組みをご支援しています。どんなことでも親身になってさまざまなリクエストに応じたご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

  • 特別緑地保全地区の保全管理活用方針策定に向けた歴史・動植物調査(川崎市,2020)
  • 企業の森における将来ビジョンの策定、更新(民間企業,2012~継続)
  • 工場緑地における樹種転換・植栽管理計画策定(民間企業,2021)
  • 企業の森における広葉樹林・針広混交林の植生調査および森林整備方針検討(民間企業,2022)
  • 育成木のモニタリング調査および今後の計画策定(民間企業,2022)
  • 森林公園における雑木林管理計画等策定(民間企業,2007)

 

  • 自然共生サイト伴奏支援手法検討(環境省,2022)
  • 沿岸域における自然共生サイト認定に向けた情報整理業務(環境省,2022)
  • リゾートエリアにおける自然共生サイト認定に向けた支援業務(民間企業,2022)
  • 企業の森における自然共生サイト認定に向けた申請書作成支援(民間企業,2023)
  • 社有林における自然共生サイト認定に向けた自然環境調査と申請支援(民間企業,2023)

 

  • 企業の森におけるイノシシ侵入防止柵の設置(民間企業,2021)
  • 大阪府民の森 湿生花園の管理マニュアル作成、助言等(大阪府,2022)

 

  • 社有林を活用するための動植物調査結果を活かした環境教育イベント(民間企業,2021)
  • 地域コミュニティ活性化等をめざす自然をテーマとした観察会およびワークショップの企画運営支援(民間企業,2020)
  • 工場緑地における草木の教室の実施(民間企業,2020)
  • 工場緑地における従業員参加型の生きもの調査および外来種駆除イベントの実施(民間企業,2021)

 

  • 企業の森における水源涵養および生物多様性保全を目的とした森林整備のための調査(民間企業,2020)
  • 企業の森における地域性種苗の植栽計画検討(民間企業,2020)
  • 牡鹿半島における流域内の山林調査、森林再生活動の実施(おしかリンク,2020)
  • 企業の森における植生モニタリング、カシ類種子の採取、播種等の支援(民間企業,2022)

 

 

 

 

 

当ページの文章・写真等の利用について // ちいかんの森づくりプロジェクトのページに掲載されている文章・写真・画像の著作権は「株式会社地域環境計画」に帰属します。商用での無断引用、転載は禁止します。 商用利用および、高解像度の画像・動画の利用をご希望の方は、上記お問い合わせフォームよりご相談ください。



 ページの先頭へ戻る