森づくりレポート

2024
06.28

谷戸のいきもの02 アカガエルもヒキガエルもいない谷戸

里山林の整備に全力で取り組む「ちいかんの森づくりプロジェクト」。

谷戸の水にどのようなカエル類が繁殖しているか、3月中旬から調べています。

活動を行っているのは川崎市の西黒川特別緑地保全地区。この周辺に生息が予想されるカエル類としては、アズマヒキガエル、二ホンアマガエル、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエルあたりが挙げられます。ところが、このうちアズマヒキガエルとニホンアカガエルは確認できませんでした。

アズマヒキガエルやニホンアカガエルがいそうな水たまり

この2種は早春、写真にあるような水たまりで繁殖するのですが、繁殖に適した場所を見て回っても、親を含め卵塊や幼生(オタマジャクシ)が確認できませんでした。長年環境調査に携わってきた者として、違和感を覚える現象でした。

要因は定かではありませんが、仕掛けた自動撮影カメラにたくさん写るアライグマに食べられてしまったのではと疑っています。アライグマは4月26日から6月28日までのおよそ2か月間で43回も撮影されました。こんな狭い水域でこんなに高頻度で漁られたら、生きものがいなくなるだろうなということは容易に想像できます。

自動撮影カメラにたくさん写るアライグマ

もう手遅れかもしれませんが、来年の春には、これらのカエルが繁殖に利用するような水場にアライグマが近づけなくなるような対策を講じてみたいと思います。

 

 







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