2016
08.22
そのたね、まいたら生えてくる!… かも?
名古屋支社の広永と申します。
昨年4月に九州から転勤しました。
私は2009年ごろから、ひろった草木の実やたねをポットにまいています。
セイヨウタンポポやススキなど、誰でも見たことのある野草から、自分が食べた果物まで、何でもかんでも植えています。
現在、種数は500を超え、ポット数も1000個以上になりました。
左は2015年6月の自宅庭、右は2016年6月現在。ポット数増加にともない、冬から一部立体化しました。
私たちの仕事は、生きものの名前や特徴をおぼえ、調べることが基本です。
そのため、図鑑などの本から得た知識と、多くの実物を見る経験を組み合わせて、頭の中にそれぞれの生きもののイメージを作っています。
植物もポット植えにして、日々観察していると、いろいろなことに気づかされます。
ポット植えの一部。仕事で使う植物目録の順番に並べるので、近縁なもの、似たものがとなり合わせになっています。たとえるならば、昆虫標本を標本箱に収めた感覚に近いかもしれません。この1枚で約80種ほどの植物が写っています。
こちらは左から、ムラサキシキブ、コムラサキ、ヤブムラサキ。
写真ではわかりにくいですが、姉妹みたいな3種を実物で並べると、葉の毛や鋸歯の状態など、それぞれの特徴が比較しやすいです。
ポット植えでは土の湿度が高い傾向になるため、本来湿地に生育するコムラサキが断然成長が早いですね。
会社で食べたリンゴのたねは…
ちゃんと生えてきました!
晩酌で果汁をしぼったユズのたねも…
もちろん芽が出ます!
植物があるところ、それを食べる昆虫が現れ、またそれを食べる鳥などがやってきます。植物の成長を観察すると同時に、そこに関わる他の生きものも見られて一石二鳥です。
ミカン科の植物が芽ばえたら、どこからともなく虫の影、これはアゲハの幼虫ですね。
片っ端から葉を食べて大きくなり、さなぎになる前の幼虫はデザイン大幅変更。
あとどれだけ食べるやら?かんきつ類やサンショウのポット植えは足りるかな…?
しかし、セグロアシナガバチに見つかってしまった!幼虫はあえなく肉だんごにされ…。
アゲハの死も、ハチたちが生きるための糧となります。
それでも生きものの営みは続きます。どこからともなく、今年2世代目(夏型)のアゲハが産卵に来ました。
以上、市販の径6センチビニールポット、軽石(小粒)、腐葉土と園芸ラベルをそろえるだけでできる趣味のお話でした。数を増やしすぎなければ、たぶん、あまりお金はかかりません。