ちいかんコラム

2015
01.08

2050年には鰻重が食べられない!?
ウナギの未来をみんなで考えた「第8回生物多様性協働フォーラム」参加レポート

大阪支社生物多様性推進室 伊勢紀

大阪支社 生物多様性推進室
伊勢 紀

 

ちいかんコラムをご覧になってくださっている皆さま。
こんにちは。大阪支社「生物多様性推進室」の伊勢 紀です。

所属部署のネーミングからお察しのとおり、生物多様性を推進していくのが私の仕事ということで、今回は、昨年12月23日にグランフロント大阪で開催されました「第8回生物多様性協働フォーラム」の様子をご紹介します。

 

 

さすがグランフロント大阪。看板もオシャレです。

さすがグランフロント大阪。
看板もオシャレです。

このフォーラムは2011年度から関西各地で計7回開催されています。生物多様性と社会のかかわりについて意見や情報を交換し、広く社会に発信することが主な目的です。

8回目となる今回は「 ウナギの未来をつなげよう 」と題しまして、ウナギの食文化と生物多様性をテーマにしたものでした。

※フォーラムの詳しい情報はコチラをご覧ください。
(兵庫県立人と自然の博物館WEBサイト)
http://www.hitohaku.jp/infomation/event/8th-forum.html
※弊社プレスリリース
http://www.chiikan.co.jp/news/201412052529/

 

ますは、会場の様子から…。
フォーラム会場である大阪梅田のグランフロント ナレッジシアターを囲むホワイエでは、16のブース出展と18のパネル展示がありました。
今回のテーマとなっている「ウナギ」に関わるブース出展をはじめ、関西を中心に生物多様性に関わる活動についてのパネルが展示され、あちこちで熱心な説明、情報交換が行われていました。なんと、お昼には、老舗の鰻や竹うちによる鰻弁当の販売も行われました。

想定を超える参加者数で、終日賑わいました。

想定を超える参加者数で、終日賑わいました。

 

イラストもオリジナルの缶バッジ

イラストも
オリジナルの
缶バッジ

弊社の展示スペース

弊社の展示スペース

弊社はパネル展示で参加しました。
これまでお手伝いしてきた行政、企業、市民等様々な主体による生物多様性保全活動の事例紹介ポスターを展示しました。
また、訪問してくださった方へのお土産として「ちいかんカレンダー”鳥とともに生きる”」や、「水辺の生きものイラスト缶バッジ・缶マグネット」をお配りし、大好評をいただきました。
お忙しい中足をお運びくださった多くの皆さまに、この場を借りてあらためてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

※2015ちいかんカレンダーは、こちらからダウンロードできます。
http://www.chiikan.co.jp/press/calendar2015_dl.htm

 

次は講演の様子です。
フォーラムの基調講演は2題ありました。

基調講演1

基調講演1

1題目は和歌山県立自然博物館の揖様が、ウナギの生活史、どこで生まれてどこで大きくなるのかなど、最新の知見、あるいはまだ明らかにされていないナゾについて講演されました。
ウナギの生態はまだまだ謎だらけとのこと。
ここ数年「ウナギの稚魚がいなくなった」「ウナギが消えた」「土用の丑の日ウナギ高騰」等のニュースもあり、国産ウナギは高嶺の花になっていますので、皆さんご存知かもしれませんね。

 

基調講演2

基調講演2

2題目の大阪歴史博物館の伊藤様からは、近世以降大阪の川魚料理について、歴史やどのように人々が接してきたのかというお話をいただきました。昔の絵画に描かれたウナギや鰻屋の様子などの、普段ウナギと聞いても浮かんでこない情報をご紹介いただきました。

 

最後のお題は「2050年の子どもたちは、鰻重を知っているか?」。
「鰻重ってなに?」もし、本当にそうなってしまったら… 鰻好きとしてはとても淋しいテーマのパネルディスカッションでした。
現場でウナギの生息場所の保全に取り組んでおられる漁協の方、ウナギに配慮した河川改修や生息地を作り出す技術を開発し実用化を進めておられるゼネコンの方をはじめ、川魚の専門家や生物多様性の保全と社会をつなぐ仕組みを専門とされているシンクタンクの方など、幅広い視点から話題提供があり、活発な意見交換がありました。

 

「生物多様性協働フォーラム」というと難しそうなイメージですが、今回は親しみやすいテーマであったことや、開催場所がグランフロント大阪ということもあって、買い物を兼ねたカップルやご家族連れなど一般の方の来場者が多く、とても賑わいのあるフォーラムだったという印象でした。

生物学的な「ウナギ」の保全だけでなく、歴史や文化にまつわるアプローチ … 例えば今回のように会場で鰻弁当を売るくらいの柔軟さが、いわゆる生物多様性の主流化には欠かせないのだと強く感じました。

 



ページの先頭へ戻る