ちいかんコラム

2014
08.25

何とも魅力的な「森の賢者 フクロウ」との出会い
~しかも昼間編~

東京支社長 佐々木 孝太郎

東京支社長 佐々木 孝太郎

みなさん、こんにちは。
東京支社長の 佐々木 孝太郎 です。

 私は自然や生き物が好きでこの仕事に就きました。専門分野は水生生物(特に淡水魚…魚捕りは超得意)ですが、機会があれば、植物、鳥、哺乳類、両生類、昆虫類等の調査に加わることもあり、今までにたくさんの生きものたちとの出会いがありました。

今回はこれまで私が経験してきた中でも、興味深い動物との出会いをご紹介します。その出会いのお相手は、「フクロウ」という鳥です。

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このフクロウ、最近は人気急上昇らしく、あちこちに「フクロウカフェ」なるものが出来ているそうです。
そう言えば、映画「ハリーポッター」にも白いフクロウ(ヘドウィグ、ちなみに雌)が出演?し、なかなかの存在感ですね。

では、出会いのお話の前に鳥類としてのフクロウについて少しご紹介します。
フクロウは主に夜間に活動する鳥です。
暗闇で獲物のネズミを探すのですが、聴覚が非常に発達しており、足音で獲物の位置を捕捉すると言われています。
また、音を立てずに飛翔することができるので、暗闇に乗じて音もなく獲物に忍び寄り、あっさりとネズミなどを捕まえてしまいます。縄張り意識が強く、他個体の鳴き声で接近を察知すると、素早く反応して鳴き声で返し、自分の縄張りを主張します。

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主に夜間に活動する鳥ですので、昼間はこんな感じで寝ていることが多いです。フクロウとはそんな鳥です。
ただ、時には昼間に活動することもあります。それは育ち盛りの雛がお腹を空かせている時でしょうか。

さて、フクロウとの出会いのお話に戻ります。
とある山道を歩いていたら、昼間に ”ホーホー、ゴロスケホッホ” と鳴き声が聞こえてきました。餌を巣に運んできた雄の声のようです。それに応えるように ”ギャーッ” という雄の声とは似つかない声が聞こえてきます。餌を受け取りに出てきた雌の声のようです。
ひとしきり、やり取りが済んだであろう頃合いに、そこから数百m離れたところで1回だけ ”ホーホ、ゴロスケホッホ” と鳴き真似してみます。
すると、遠くで鳴き返してきました。鳴き声の方向をじーっとみていると、音もなく林の中を何かがこちらにゆっくりと近づいてきます。スローモーションでもみているように、フワーっと私の脇を通り抜け、見晴らしの良い木のてっぺんにとまりました。フクロウが音も立てずに飛翔できるのは、羽に秘密があるといわれていますが、これだけゆっくりと飛翔できることも、その理由の一つではないかと思いました。

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それにしても、私のことが見えているはずもない場所から、一気に私との距離を縮めてきたことに驚きを隠せません。20m程でしょうか。やはり聴力の高さも半端ではないようです。
再び100m程距離をとり、もう1回鳴き真似してみます。今度は5m程脇の木にとまりました。周りをきょろきょろと伺いながら、鳴き声の主を探しています。

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こちらが動かなければ、こちらを気にすることはありませんが、少し動くと ”クワッ” とこちらを睨みます。でも、私はお目当ての声の主ではないと認識しているようで、すぐにまたきょろきょろと周りを伺います。

きっと夜も同じように飛び回っているのでしょうが、暗闇なので鳴き声を発しない限りその存在に気づくことは稀です。でも、今回は昼間。フクロウの動きがよーく見えます。普段見えていないものが見えてしまうので、とても興味深い出会いでした。

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とはいえ、このフクロウにもお仕事(餌運び?)がありますので、執拗に鳴き真似をして自分の近くに長時間引き止めるのは、やめておきましょう。たぶん1回目の鳴き真似の反応で「コラー、誰じゃー」とフクロウが叫んでいた気がするので。



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